花と酒

とんかつ屋で晩飯を食った帰り、
ふと酒を飲みたくなり買った。(25歳です)
酒を下げて歩いているとなんとなく心が踊ってきた。
4月29日、高野山は花盛り。
この心の高揚は何なのか。
寺に囲まれた宗教都市で酒を飲む。その背徳の甘美への期待か。
それとも唯桜の魅力によるものか。
薄暗く古雅な町並みに、桜がよく似合う。
歩きながら、まだ一滴も飲まぬのに、良い気分だった。
今、風景を思い出しながら、ほろ酔いで日記を書く。

 門前の
  夜桜の下
   酒かかへ

今、買った酒の名前を見たら「花吹雪」だった。
適当に買ったのに。
びっくりした。
世界は仕組まれている。