欲張り婆さん

ひと月ほど前だろうか、もっと前だろうか、
人から蜜柑が届いた。箱で。
たくさん入っているから、叔母にやるということになった。
しかし祖母は少しだけ袋に入れるだけで、私がもっと上げなさいと言っても、
自分の食べる分が無くなると言って譲らない。
呆れた婆さんだと思った。
そして、今日、騒ぎ出した。欲張った結果腐らせやがった。
腐った蜜柑を捨てて、それ以外の腐りかけを猶も大事そうにしている。
欲張ったクセに蜜柑はまだたくさんある。それらはもう腐っていくばかりなのに。
まったく昔話に出てきそうな意地汚い欲張り婆さんではないか。
残りの蜜柑の行く末が気になるなぁ。いやだなぁ。