去った

昨日、祖母が去った。
今朝、両親が去った。
また、一人になった。
腰が痛いので安静にしていた。


「普通に」と「シュール」。
この二つの言葉が市民権を得たのは近い時期ではなかろうか。
関連している気がする。
気がするだけかもしれない。
「シュール」とはまっとうな感覚ではない。
「シュールな笑い」などというが、正統派ではないものだ。
どこか突き抜けた別次元を表す言葉である。
それに対して「普通に」とは何も突き抜けない予想の内側にある。
だから「普通においしい」は絶賛ではない。
予想されている自分の中の基準を出ないものである。
「いまいち」から「まあまあおいしい」までの自分の平凡な日常を飛び出ない程度の味である。
味の評価において「シュール」という言葉は用いない。
「普通に」と「シュール」が、どの場面においてもハッキリと対義語になるわけではない。
しかし、「普通においしい」という言葉では表現できない領域「超まずい」と「超おいしい」の「超」が「シュール」の訳語であることを考えれば、「普通に」と「シュール」とを使う言語感覚が遠からざるものであると感ぜずにはいられない。