儚いからいいのかな

昨夜、夜の御茶会に呼ばれ、0時ごろ帰宅。

帰ると台所から「ぴぴ」っと高い声がする。
これは奴がいるんだな、と思ってのぞいてみると、
仕掛けた四つの罠の内の一つにつかまった鼠がおった。
小さな体がべったりと粘着シートに貼り付き、もがいている。
あゝ。
かなしそうに鳴いている。
でも僕はお前を助けられない。
粘着シートを折り畳み、下に敷いていた新聞紙を折り畳み、
ビニール袋に入れて口を結び、ゴミ袋に入れて口を結び、
家の外に出した。
朝にはゴミ収集車が持っていき、お前の身体は潰されるであろう。
僕が殺したんじゃない。僕が殺したんじゃない。

今朝、残る三つの罠の内の一つに蛾がくっついていた。
僕はそれを見て何も思わなかった。
僕は命の重さを量ったのだ。命の重さを差別した。
蛾と鼠と僕の命はどのように違うのだろう。
死を前にもがく鼠の姿は、僕の明日かも知れない。
死して何も思われない蛾の姿は、……。
無常を感じる。厭世の思いを強くした。
『発心集』にあるような昔の人は、
この様な時に遁世逐電したのだろうか。
でも僕はもう高野山に逃げている。
次はどこへ向かえばいいのだろう。
西に向かい手を合わせて十念を唱えればいいのだろうか。
つまらないな。


借りぐらしのアリエッティ』はやっぱりいいな。