白梅・鳩・丸善

裏道の荒れた畑の真ん中に咲く白梅を見つけた。
「もろともにあはれと思へ山桜花よりほかに知る人もなし」
これに近い心境。

どうしてか、駅前という場所には鳩がいる。
一羽の鳩が階段の途中にいた。
一段一段両足を揃えてピョコンピョコンと下る様は愛らしい。
愛らしいからといって近付いたりはしない。
愛らしく感じるには愛らしく感じるための距離を保っておかなければならない。

散歩がてら隔日という頻度で近所の丸善に通っている。
本の買い方について。
本には二巻本や三巻本がある。
一巻、二巻として売られるものもあれば、
上巻、下巻として売られるものもある。
一巻、二巻、三巻として売られるものもあれば、
上巻、中巻、下巻として売られるものもある。
言いたいことをお察しくだされたであろうか。
上中下で売られている場合、中巻だけ買っていかれたら、
それが二巻本なのか三巻本なのか分からなくなるではないか!
一体どういう買い方なのか!一巻ずつ買うというのは!(倒置法!)
新刊を買っていくのなら理解できる。
何十巻もある大作ならまとめて買うのは苦しいことだと理解できる。
500円の文庫本三冊をまとめ買いしない理由は何なのか。
1500円貯めてから買うことができないのか。
希少な古本なら理解もしよう。
どこにでも流通しているような本で……ふぅ。