2012-03-26 母を蹴って西へ行く 明日、住み慣れた都会を離れるだろう。 春、虫の季節だ。 あの山に戻ると奴らが待ち構えているのだろうか。 しかしいつまでもこの環境にいられるわけではない。 新学期が始まる。 祖母も寂しさのあまり体調を崩している。 戻らなければならない。 母に別れを告げる。涙ぐむ母。 母にとって息子というものはいくつになっても可愛いものらしい。 祖母と母の板挟み。 嬉しくもない。憂鬱だ。 春は、憂鬱だ。